昨日は昼食を挟んで12時間に渡り、
新設ダイカストマシンの仕様打合せにオブザーバーとして出席。

顧客の日本人スーパーバイザーの方からの質問により、
ダイカストマシンで一番重要な機能の機械的構造について理解が深まった。

メーカーの説明も大変分かりやすく、
私にとっては不具合発生メカニズムを顧客に説明する際に使わせていただく!

周辺機械メーカーも含め10名で打合せをしていたが、
それぞれ視点、こだわる所の違いが出ていて、これが技術的な面で参考になった。

機械メーカーはどの様に受け止めたかは分からないが、
顧客のニーズ、ある本にはウォンツをニーズにと書いてあったが、
このウォンツがいたるところに出ていた。

特にインド人の生産担当者から出てきた機械的不具合や改善については、
長年どっぷりダイカストに浸かってきた我々にはない、
「そういわれれば、そうだな~」とか、
「たしかに、そんなものがあったらいいな~」という新鮮なアイデアが沢山でた。

このミーティングに出席して、
マシンメーカーの2つの問題点が気になった。

一つは商品開発について。
機械メーカーは日常的にダイカストメーカーとの打ち合わせをしているわけで、
その内容を、当該設備のことだけにとどめてしまっているのではないか?

まさに、仕様打合せに出てくる顧客からの要求はニーズであり、
それを元に商品開発を進めれば、ずいぶん違った商品が出てくると思う。

「そんなことはやっています」と言われるのであろうが、
昨日の打合せを振り返ると疑問に思えるところがあった。

「今は無いが、近い将来商品化の検討をします」と言えるような、
容易に開発できそうな「すばらしいアイデア」があった。
二つ目はオプションについて。
オプションについて、メーカー側が提案をあえて避けているのでは?
と疑いたくなることがいくつか出てきた。

製品の品質や消耗品の長寿命化に寄与するオプションについて、
仕様書にも書かれていないし、顧客からの質問も出なかったため、
私から「この仕様はナゼ入っていないのか」「この仕様は標準ですか?」
と指摘したところ前者の質問には「・・・・・」
後者の質問には「標準ではなくオプションです」との答え。

価格競争で安く見積もり、受注するためだとしたら、
顧客利益のために仕事をしているとは言えないのではないか?

顧客のためにならないだけでなく、自らの会社に対してもどうなのか?
私からすれば、
オプションとされている中にこそ、
そのメーカーの特色が大きく現れるているし、
標準装備だけの機械を買うのであれば、
極端に言えば「安ければいい」というほど差がないわけだし、
何年も前に開発されていて自ら効果があると宣伝をしてしる機能が、
未だにオプションで、更に顧客に提案、開示すらしない、
その結果そのオプションの生産は増えず、価格も下がらない・・・・。
その会社の技術開発の思いと、営業の思いの差が大きすぎるのではないか?

自動車で言えば開発当時は高級車にオプションでしか搭載されない機能が、
数年のうちに大衆車に標準装備などというのは珍しい話ではない!

私みたいに20年前に買ったバックモニターもなく、リモコンキーもない車を、
喜んで乗るようなお客は少数派!それを狙っていますと言われると困るが・・・・・.